
杉本比呂無税理士事務所からNewsLetterを配信!2026年5月号
賃上げを「確実な節税」に変える!2026年度賃上げ促進税制のポイント
2026年度(令和8年度)改正で賃上げ促進税制が見直しされます。大企業向けは2026年3月末で廃止、中堅企業向けは賃上げ要件を4%以上に引き上げた上で2027年3月末で廃止予定とされています。中小企業向けの一部上乗せは廃止となりますが制度は継続となり、賃上げ増加分の最大35%を税額控除できます。赤字でも控除額は最長5年繰越可能です。
中小企業の賃上げ促進税制は制度継続となり最大35%、最長5年の繰越が可能です!「うちは対象になる?」「いくら節税できる?」などお気軽にご相談ください。
中小企業向け賃上げ促進税制の対象
- 青色申告している法人であること
- 資本金1億円以下であること
- 個人事業主の場合は従業員数1,000名以下であること
税額控除率のしくみ(最大35%)
必須要件を満たすと税額控除率は15%。さらに上乗せ要件を満たすことで、最大35%まで控除率が引き上げられます。
| 区分 | 要件 | 税額控除率 |
|---|---|---|
| 必須要件 | 全雇用者の給与等支給総額が前年比1.5%以上増 | 15% |
| 上乗せ要件 | 全雇用者の給与等支給総額が前年比2.5%以上増 | +15% |
| 上乗せ要件 | くるみんまたはえるぼし(2段階目以上)等の認定がある場合 | +5% |
賃上げ額100万円あたりの試算
| 賃上げ額 | 100万円 |
|---|---|
| 法人税軽減 | -30万円 |
| 税額控除 | -35万円 |
| 実質負担 | 35万円 |
賃上げ分の人件費は損金算入されるため、黒字企業では法人税が軽減されます。さらに賃上げ促進税制の税額控除を活用すると、賃上げ額の約65%が税負担の軽減として戻ってくるイメージです。
5年間の繰越控除を活用するメリット
中小企業が賃上げを実施した年度に、税額控除を使い切れなかった場合、控除額を最大5年間繰り越せます。赤字年度や法人税額が少ない年度でも、翌期以降に繰り越して控除できる点が特徴です。ただし、繰越控除を使う年度についても、給与等支給額が前年より増えていることが条件とされています。
※繰り越しには、確定申告時の「明細書」添付が不可欠です。
メリット①:節税効果
賃上げ分の人件費は損金算入されるため黒字企業では法人税が軽減され、税額控除とあわせて賃上げ額の約65%が税負担の軽減として戻ってくるイメージです。
メリット②:採用・定着力のアップ
賃上げに加えて「くるみん」「えるぼし(2段階目以上)」の認定を取得すると、税額控除率がさらに+5%上乗せされます。認定企業は「一般事業主行動計画公表サイト」に掲載され、子育て世代や女性が働きやすい職場として求職者へ広くアピール可能。節税しながら、採用ブランディングにもなる一石二鳥の取り組みです。
賃上げ前に確認しておきたい3つのポイント
- 給与総額の増加を維持できるか確認する(離職等で給与総額が減ると要件未達になる場合があります)
- 社会保険料の会社負担分も含めてコスト試算する(賃上げに伴い、社会保険料の会社負担分も増加します)
- 継続できる賃金水準で計画を立てる(一度上げた賃金は下げにくいため、無理のない水準設定が大切です)
【参考】中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック(令和6年9月20日更新版)|中小企業庁
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